睡眠障害
睡眠障害
「なかなか寝つけない」「夜中に何度も目が覚める」「朝起きても疲れが取れない」「昼間に強い眠気を感じる」といった睡眠の悩みは、誰にでも起こることがあります。仕事が忙しい時期や強いストレスがかかっているときには、一時的に眠りが浅くなることも少なくありません。
ただ、こうした状態が続き、日中の眠気や集中力の低下まで感じるようになると、単なる寝不足ではなく、睡眠障害が関係していることがあります。睡眠障害にはいくつかの種類があり、種類や原因によって対処法も異なります。ここでは、睡眠障害の種類や症状、原因、診断、治療について解説します。
睡眠障害とは、眠りや目覚めに関わる問題が続き、日常生活に影響が出ている状態の総称です。「眠れない」という症状だけでなく、日中に強い眠気が出る、寝る時間が大きくずれる、睡眠中に呼吸が止まるといった状態も含まれます。
必要な睡眠時間には個人差があるため、睡眠時間が短いというだけで、睡眠障害かどうかを判断することはできません。ある程度の時間眠っていても熟睡した感覚がなく、朝から疲労感が続く場合や、眠気によって仕事や日常生活に支障が出ている場合には、睡眠に関する病気が隠れている可能性があります。
布団に入ってもなかなか眠れない「入眠困難」、眠ったあとに何度も目が覚める「中途覚醒」、予定より早く目覚めてしまう「早朝覚醒」などがあります。眠れない状態が続くことで、日中の倦怠感や集中力低下、気分の落ち込みなどにつながることもあります。
十分な睡眠時間を確保しているにもかかわらず、日中に強い眠気が現れる状態です。仕事中や授業中など、本来は起きている必要がある時間帯にも眠気を抑えにくくなり、日常生活に支障が出ることがあります。
体内時計と社会生活の時間帯が合わなくなり、眠る時間や目覚める時間が大きくずれる睡眠障害です。夜になっても眠れない、朝なかなか起きられないなどの状態が続き、通勤や通学が難しくなることもあります。
睡眠中に呼吸が繰り返し止まったり、浅くなったりする病気です。大きないびきや起床時の頭重感、日中の強い眠気などがみられることがあり、本人よりも家族から呼吸の異常を指摘されて気づくケースもあります。
夕方から夜にかけて脚にむずむずするような不快感が現れ、じっとしていることがつらくなる状態です。脚を動かすと一時的に楽になることがありますが、寝つきを妨げる原因になることもあります。
睡眠中に寝言や歩き回るなどの行動がみられる睡眠障害です。本人に自覚がないことも多く、家族から指摘されて初めて気づく場合があります。症状の内容や起こる時間帯によって、原因を詳しく確認することが大切です。
夜間に現れる症状としては、眠りにつくまでに時間がかかる、夜中に何度も目覚める、朝早く目が覚める、長く眠っても熟睡感が得られないなどが挙げられます。大きないびきや睡眠中の呼吸停止、寝ている間の激しい動きなどがみられることもあります。
一方、日中には強い眠気や疲労感、集中力や判断力の低下、意欲低下、イライラなどが起こる場合があります。仕事中に眠気を抑えられない、ミスが増えたと感じるなど、生活への影響から睡眠の問題に気づくこともあります。睡眠中の異常は本人が把握しにくいため、家族からの指摘が診断の手がかりになる場合もあります。
睡眠障害の原因は1つとは限りません。就寝時刻や起床時刻が日によって大きく変わる生活、夜勤や交代勤務、長時間の昼寝などが続くことによって、睡眠と覚醒のリズムが乱れることがあります。また、夜遅くまでスマートフォンやパソコンを使用する習慣、就寝前のカフェインやアルコールなども眠りに影響する場合があります。
また、仕事や人間関係のストレス、不安や緊張が続いていると、寝床に入ってからも考え事が止まらず、寝つきにくくなることがあります。うつ病や不安障害などの心の不調、痛みやかゆみ、頻尿といった身体症状、服用している薬などが関係しているケースもあるため、生活習慣だけで原因を決めつけないことが大切です。
睡眠と心の状態は深く関わっています。ストレスや不安が強い時期には寝つきが悪くなったり、夜中に目覚めやすくなったりします。一方で、眠れない日が続くことで気分が落ち込みやすくなり、イライラや意欲の低下が目立ってくることもあります。
不眠は、うつ病や不安障害などでみられる症状の1つでもあります。そのため、心療内科や精神科では睡眠の状態だけをみるのではなく、気分の変化や不安、仕事や家庭での状況などもあわせて確認します。「眠れない以外にも最近少し調子が違う」と感じることがあれば、その変化も診察時に伝えておくと状態を整理しやすくなります。
睡眠障害の診断では、いつ頃から睡眠の問題が始まったのか、寝床に入ってから眠りにつくまでの時間、夜中に目覚める回数、起床時刻、昼寝の有無などを確認します。あわせて、日中にどの程度眠気があるのか、仕事や生活にどのような影響が出ているのかも判断の手がかりになります。
必要に応じて、毎日の就寝時刻や起床時刻、夜中に目覚めた回数を記録する睡眠日誌や質問票を使うことがあります。また、睡眠時無呼吸症候群が疑われる場合には、睡眠中の呼吸や酸素の状態を調べる検査を行うことがあります。症状に応じて必要な情報を集めながら、原因を確認していきます。
睡眠障害の治療は、種類や原因によって異なります。不眠症では、まず生活リズムや睡眠環境を確認し、眠りを妨げている習慣を整えていくことがあります。また、睡眠に対する考え方や寝床での行動を見直す認知行動療法が行われる場合もあります。
症状によっては薬物療法を組み合わせます。睡眠に関わる薬には複数の種類があり、寝つきが悪い、途中で目覚めるなどの症状や年齢、持病、ほかに服用している薬などを考慮して選択します。薬を使用する場合は、自己判断で量を増減したり急に中断したりせず、効果や副作用を確認しながら医師と調整することが重要です。
一時的に眠れない程度であれば、生活リズムを整えることで改善することもあります。しかし、睡眠の悩みが続き、仕事や学業、家事などに影響が出ている場合には、医療機関への相談を検討してください。日中の強い眠気によって生活に支障が出ている場合や、いびきや呼吸停止を指摘された場合も受診の目安になります。
また、眠れない状態とともに気分の落ち込みや強い不安、意欲低下などが続いている場合には、心の不調が関係している可能性もあります。睡眠障害は原因によって治療方法が異なるため、我慢し続けるのではなく、夜の睡眠状態と日中の変化を医師に伝え、適切な診断や治療につなげることが大切です。
睡眠障害は、眠れない状態だけでなく、日中の強い眠気や生活リズムの乱れなど、さまざまな形で現れます。睡眠の悩みが続き、仕事や日常生活に影響が出ている場合は、我慢せず早めに医療機関へ相談することが大切です。
中野こころとからだクリニックでは、睡眠の状態や生活状況、心身の不調などを確認しながら、お一人おひとりに合わせた診療を行っています。「この程度で受診してもよいのかわからない」という方も、気になる症状がございましたらご相談ください。
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