アディクション(依存症)|中野坂上こもれびメンタルクリニック|精神科|心療内科

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アディクション(依存症)

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アディクション(依存症)とは?

アディクション(依存症)とは?

アディクション(依存症)とは、特定の物質や行動・人間関係に対して「やめたくてもやめられない」状態が続き、日常生活・家族関係・仕事・健康に深刻な支障をきたす状態をいいます。
「意志が弱いから」「根性がないから」やめられないのではありません。依存症は、繰り返しによって脳の報酬回路が変化し、自分の意思でコントロールできなくなる「脳の病気」です。本人がいくら反省や後悔を繰り返しても、また同じ行動を繰り返してしまうのは、脳の仕組みによるものです。条件さえ重なれば誰でも発症し得る、決して特別な人だけの問題ではありません。
依存症は本人だけでなく、ご家族・周囲の人を巻き込みやすい疾患でもあります。本人もご家族も、一人で抱え込まずに早めに専門機関へご相談ください。

アディクションの種類

アディクションの対象は大きく3つに分類されます。

物質依存(物質への依存)

特定の物質を繰り返し摂取することで依存状態になります。同じ量では効かなくなり(耐性)、使用をやめると不快な離脱症状が現れることが特徴です。

  • アルコール依存症:飲酒量・頻度のコントロールができなくなり、飲まないと手が震えるなどの離脱症状が現れる
  • 薬物依存症:違法薬物(大麻・覚醒剤など)や処方薬・市販薬の乱用・依存(近年、若年層の市販薬乱用が社会問題化しています)
  • ニコチン依存症:たばこ・電子タバコへの依存

行動依存(行為・過程への依存)

特定の行動や体験が引き起こす快感・高揚感に依存する状態です。物質を使わなくても、脳内の報酬系に同様の変化が起きます。

  • ギャンブル依存症:パチンコ・カジノ・スポーツ賭博など
  • ゲーム・インターネット依存症:ゲームやSNS・動画視聴のコントロール困難(WHO疾病分類ICD-11に「ゲーム障害」として収載)
  • 買い物依存症、過食・摂食行動の依存的側面など

関係依存(人間関係への依存)

特定の人間関係に過度に依存したり、相手を過剰にコントロールしようとする状態です。

  • 共依存:相手の問題行動を支えることに自己の存在意義を見出し、関係から離れられなくなる状態
  • 恋愛依存、DV関係からの離脱困難など

一人が複数の依存を重ね持つ「クロスアディクション(多重嗜癖)」も少なくありません。

アディクションの原因・メカニズム

アディクションの発症には、脳の報酬回路の変化が中心的な役割を果たしています。

脳の報酬回路の変化

アルコール・薬物・ギャンブルなどは、脳内のドーパミン(快楽・報酬に関わる神経伝達物質)を急激に増加させます。これを繰り返すことで脳が「その刺激がなければ快楽を感じられない」状態に変化し、強い渇望(クレービング)が生まれます。

心理的・社会的要因

不安・抑うつ・トラウマ・孤独感・低い自己肯定感などが、依存の背景にあることが多くあります。「つらい気持ちを一時的に忘れるため」「現実から逃げるため」に依存対象を使い始めるケースも多く見られます。

環境・遺伝的要因

家族に依存症の方がいる場合、発症リスクが高まることが知られています。また、ストレスの多い環境・社会的孤立・依存対象への容易なアクセスなども発症を促進することがあります。

アディクションの症状・サイン

依存症には共通したサインがあります。以下に当てはまる状態が続いている場合、専門機関への相談を検討してください。

コントロールの喪失

  • やめようと思っても、量や頻度を自分でコントロールできない
  • 「今日だけ」「これで最後」と決めても守れない

耐性と渇望

  • 以前と同じ量では満足できなくなり、どんどん増えていく
  • その物質・行動のことが頭から離れず、強く求め続ける

離脱症状(物質依存の場合)

  • やめようとすると手が震える・冷や汗・不安・不眠・吐き気などの不快な症状が現れる

生活への支障

  • 依存対象を優先するために、仕事・学業・家事・育児がおろそかになる
  • 飲酒・ギャンブルなどのために借金・経済的な問題が生じている
  • 家族・友人との関係が壊れていく

問題の否認

  • 「自分は依存症ではない」「いつでもやめられる」と思い込む(否認)
  • 問題を指摘されると怒る、隠す

「否認」は依存症の中核的な特徴の一つであり、本人が「問題ない」と思っていても、ご家族が深刻な状況を感じているケースは多くあります。

アディクションの診断

アディクションの診断は、医師による問診を中心に行います。いつ頃から・何に対して・どのように使用・行動しているかを丁寧にお聞きします。
診断には国際的な診断基準(DSM-5・ICD-11)を用います。物質使用障害・ギャンブル障害・ゲーム障害などそれぞれの診断基準に基づいて評価します。
依存症には、うつ病・不安障害・PTSD・発達障害・双極性障害などが合併していることが多く(二重診断・併存疾患)、丁寧な鑑別と包括的な評価が重要です。これらの疾患が依存の背景にある場合は、並行した治療が必要です。

アディクションの治療・回復支援

依存症の治療は「完全にやめること」だけを目標にするのではなく、「健康で安定した生活を取り戻すこと」を中心に据えた長期的な回復のプロセスです。

断酒・断薬・行動停止の支援(保険診療)

物質依存では、安全に離脱するための医学的サポートが必要な場合があります。アルコール依存症では、急な断酒によって重篤な離脱症状が起きることがあるため、医師の管理のもとで段階的に進めます。必要に応じて、入院治療や専門医療機関への紹介もご相談いただけます。

薬物療法(保険診療)

アルコール依存症には断酒補助薬(アカンプロサート・ジスルフィラムなど)が有効な場合があります。また、依存症に合併するうつ病・不安障害・不眠などの症状に対しても、適切な薬物療法を行います。

精神療法・カウンセリング(保険診療・自由診療)

認知行動療法(CBT)や動機づけ面接法(MI)は、依存症の回復に有効であることが報告されています。依存に至った背景にある心理的課題(トラウマ・対人関係・自己肯定感など)に取り組むことも、長期的な回復に欠かせません。当院では臨床心理士・公認心理師によるカウンセリングも提供しています(自由診療)。

自助グループ・社会資源の活用

AA(アルコホーリクス・アノニマス)・NA(ナルコティクス・アノニマス)・GA(ギャンブラーズ・アノニマス)などの自助グループへの参加は、回復の大きな力となります。当院から地域の支援機関・自助グループへのご案内もいたします。

SMARPP(依存症集団回復プログラム)※開始予定

SMARPP(Serigaya Methamphetamine Relapse Prevention Program)は、依存症からの回復を支援する再発予防プログラムです。依存の仕組みや再発のサイクルについて理解を深めながら、自身の考え方や行動パターンを振り返り、再発を防ぐための対処法を身につけていきます。薬物依存症を対象として開発されたプログラムですが、アルコール依存症などさまざまな依存症の回復支援にも活用されています。
当院では、SMARPPを依存症治療の専門プログラムとして、準備が整い次第開始予定です。

アディクションと日常生活・家族の関わり

「回復」は一人では難しい

依存症からの回復には、本人の努力だけでなく、周囲のサポートと適切な環境が不可欠です。「意志の力だけで治そう」とすることは、かえって挫折感を深めるリスクがあります。

ご家族の関わり方

「なんとかしてあげたい」という気持ちから、飲酒費用を渡す・借金を肩代わりする・問題を隠すなど、依存行動を結果的に支えてしまう「イネーブリング(enableing)」は、回復を遅らせることがあります。ご家族自身が専門機関や家族会(Al-Anonなど)に相談し、適切な関わり方を学ぶことが、本人の回復にもつながります。

再飲酒・再使用は回復の失敗ではない

依存症の回復過程では、再び飲酒・使用してしまう「スリップ」が起きることがあります。これは回復の失敗ではなく、回復の途中でよく起きることです。スリップを「また繰り返した」と過度に責めず、早めに支援者・医療機関に相談することが大切です。

こんな症状があればご相談ください

以下のような状態が続いている方・ご家族は、一度ご来院ください。

  • 飲酒・ギャンブル・薬物・ゲームなどの量や頻度を自分でコントロールできない
  • やめようと決めても守れず、繰り返してしまう
  • 依存対象のために、仕事・家族・健康・お金に問題が生じている
  • 朝から飲酒している、または飲まないと手が震えるなどの症状がある
  • 家族や周囲から「やめてほしい」と言われているが、やめられない
  • ご家族が依存症と思われるが、本人が受診を拒否している

依存症は、適切な治療と支援によって回復が期待できる疾患です。「恥ずかしい」「自分だけの問題だから」と思わず、まずはご相談ください。本人だけでなく、ご家族からのご相談も歓迎します。

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