PTSD
PTSD

PTSD(心的外傷後ストレス障害)は、生命の危機を感じるような強烈な体験(トラウマ体験)をきっかけに発症し、フラッシュバック・悪夢・強い回避行動・過覚醒(常に緊張した状態)などの症状が1か月以上続き、日常生活に深刻な支障をきたす精神疾患です。
「トラウマになるような体験をしたら誰でもPTSDになる」わけではありませんが、体験の種類・強さ・その後の環境・個人の特性などによって発症する場合があります。PTSDはその体験をした人の「弱さ」を示すものではなく、脳が極限状態に置かれたことで生じる反応です。
症状は体験直後から現れることもありますが、数か月〜数年後に突然症状が明確になる「遅延型」も存在します。「あの体験が関係しているとは思わなかった」という方も、ぜひ一度ご相談ください。
PTSDの発症には、必ずトラウマ体験(心的外傷的出来事)が関係しています。
一度の出来事によるものだけでなく、長期にわたって繰り返された体験(慢性的なトラウマ)によって生じるPTSDは、より複雑な症状を示すことがあり、「複雑性PTSD」と呼ばれることもあります。
すべての人が同じ体験をしてもPTSDを発症するわけではありません。発症リスクには、体験の深刻さ・持続期間・社会的サポートの有無・もともとの精神的な健康状態などが関係しています。
PTSDの症状は大きく4つのカテゴリに分けられます。
これらの症状が1か月以上持続し、社会的・精神的機能に障害を来している状態がPTSDと診断されます。うつ病・不安障害・アルコール依存などを合併することも多く、注意が必要です。
PTSDの診断は、医師による問診を中心に行います。現在の症状だけでなく、過去のトラウマ体験について丁寧にお聞きします。無理に詳細を話す必要はなく、話せる範囲でかまいません。
診断には国際的な診断基準(DSM-5)を用います。主に以下の点を確認します。
うつ病・適応障害・解離性障害・境界性パーソナリティ障害などとの鑑別も重要です。
PTSDの治療は、精神療法(心理療法)が中心であり、薬物療法は補助的に用いられることが多いとされています。安心できる治療関係を築きながら、焦らず丁寧に進めることが大切です。
当院では精神療法を中心とした診療を行っております。精神療法では、トラウマ体験によって生じた不安や恐怖、フラッシュバック、回避行動などの症状について理解を深めながら、感情を整理し、ストレスへの対処法を身につけていきます。また、安全な環境のもとで症状や生活上の困りごとを振り返り、日常生活の回復を目指して段階的に治療を進めます。PTSDに対する専門的治療であるPE療法(持続エクスポージャー療法)についても、準備が整い次第開始予定です。
また、臨床心理士・公認心理師による心理カウンセリング(自由診療)についても、開院後に順次開始を予定しております。
SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)を中心に、症状(不眠・フラッシュバック・うつ・不安など)に合わせた薬を処方します。薬物療法は精神療法と組み合わせることで、より安定した治療効果が期待できます。
PTSDからの回復は、直線的ではなく、波のある過程です。「良くなっていると思ったのに、また症状が出た」という経験をする方も多くいます。それは回復が止まったのではなく、回復の途中でよくあることです。
回復の第一歩は、今の生活の中で安全を感じられる環境を整えることです。危険な環境や人間関係から距離を置くことが、治療の前提となります。
「あのとき逃げなかった自分が悪い」「もっと強ければこうならなかった」という考えは、PTSD特有の症状の一つです。体験したこと・発症したことはあなたのせいではありません。
一人で抱え込まず、信頼できる人や医療機関・支援機関とつながり続けることが、回復を支える重要な柱です。
他の人と比べず、自分のペースで進むことが大切です。回復とは「トラウマをなかったことにすること」ではなく、「その体験と折り合いをつけながら生きていけること」です。
以下のような状態が続いている方は、一度ご来院ください。
PTSDは、適切な治療と支援によって症状の改善と回復が期待できる疾患です。「これはPTSDなのかどうかわからない」という方も、まずはお気軽にご相談ください。あなたのペースに寄り添いながら、丁寧に診療を進めます。
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