うつ病
うつ病

うつ病(大うつ病性障害)は、強い気分の落ち込みや意欲の低下が続き、日常生活・社会生活に支障をきたす精神疾患です。
「怠けている」「気持ちの問題」と思われることがありますが、うつ病は脳の機能に関わる病気であり、意志の力でどうにかなるものではありません。日本では気分障害(うつ病を含む)の患者数は長期的に増加傾向にあり、生涯を通じて約15人に1人が経験するとも言われています。誰でもかかり得る、決して特別な病気ではありません。
なお、2025年12月には日本うつ病学会が「うつ病診療ガイドライン2025」を公開し、重症度やライフステージに応じたきめ細かな治療指針が示されました。当院でも最新の知見に基づいた診療を行っています。
うつ病の原因は一つではなく、複数の要因が絡み合って発症すると考えられています。
脳内のセロトニンやノルアドレナリンといった神経伝達物質のバランスの乱れが関与しているとされています。また、ストレスホルモン(コルチゾール)の長期的な分泌が脳の一部に影響を与えることも指摘されています。遺伝的な素因が関係する場合もあります。
完璧主義、過度な自己批判、ものごとを否定的にとらえやすい思考パターンなどが、発症リスクを高めることがあります。過去のつらい体験(トラウマ)も影響する場合があります。
職場や家庭でのストレス、人間関係のトラブル、大切な人との死別、転職・引越し・出産などの環境変化が誘因となり得ます。これらの要因が重なったとき、誰でもうつ病を発症する可能性があります。
うつ病の症状は、気分・意欲に関するものだけでなく、身体的な不調として現れることも多くあります。
上記のような症状が2週間以上続いている場合は、うつ病のサインである可能性があります。「これくらいで受診するほどでもない」と思わず、まずはご相談ください。
うつ病の診断は、医師による問診(面接)を中心に行われます。いつ頃から、どのような症状が、どのくらいの頻度・強さで続いているかを丁寧にお聞きします。
国際的な診断基準(DSM-5)に基づき、症状の種類・持続期間・日常生活への影響を総合的に評価します。必要に応じて以下を組み合わせることもあります。
うつ病に似た症状を起こす病気は他にもあるため、丁寧な鑑別(原因の見極め)が大切です。また、うつ病と双極性障害(躁うつ病)は治療法が異なるため、正確な診断が治療の第一歩となります。
うつ病の治療は、症状の重さや生活状況に合わせて、段階的に進めていきます。一つの方法だけでなく、複数のアプローチを組み合わせることが多くあります。
まず大切なのは、心と体をしっかり休めることです。必要に応じて、職場・学校への診断書作成(休職・休学のサポート)もご相談いただけます。
抗うつ薬(SSRI・SNRIなど)を中心に、症状に合わせた薬を処方します。薬の効果が実感できるまでには通常2〜4週間程度かかることがあります。副作用や服薬に関する疑問は、遠慮なくご相談ください。自己判断での中断は症状を悪化させる可能性がありますので、必ず医師と相談のうえ調整します。
薬物療法と並行して、認知行動療法(CBT)などの精神療法が有効であると報告されています。考え方のクセや行動パターンを見直すことで、症状の改善だけでなく再発予防にも役立てることができます。今後は臨床心理士・公認心理師によるカウンセリングも予定しております。(自由診療)。
治療と並行して、日常生活でのセルフケアが回復を支えます。
「頑張ればよくなる」と自分を追い込むことは逆効果です。休むことを最優先にしましょう。回復期には、無理のない範囲で少しずつ活動量を増やしていきます。
起床・就寝の時間を一定に保つことが、脳のリズムを整える助けになります。
軽いウォーキングなど、負担のない身体活動が気分の改善に役立つとされています。体調に合わせて、無理のない範囲で行いましょう。
お酒は一時的に気分を和らげるように感じますが、睡眠の質を低下させ、症状を悪化させる可能性があります。
信頼できる家族や友人、そして医療スタッフに気持ちを話すことが、回復への大きな力になります。
以下のような状態が2週間以上続いている方は、一度ご来院ください。早めのご相談が、回復への近道です。
うつ病は、適切な治療と休養によって症状の改善が期待できる病気です。薬物療法・精神療法など、お一人おひとりの症状や生活状況に合わせた治療をご提案します。「はじめて精神科を受診する」という方も、安心してご来院いただけるよう、丁寧な診療を心がけています。まずはお気軽にご相談ください。
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